もし明日、突然、大切な書類にハンコが押せなくなったら——。
そんなことは、できれば考えたくないものです。けれど、認知症や病気、事故などで判断力が弱まることは、誰にでも起こり得ます。
その時、銀行口座のお金はどうなるのでしょうか。
家やアパートの管理は、誰が行うのでしょうか。
会社を経営している方なら、事業はどう引き継がれるのでしょうか。
入院や介護の手続き、亡くなった後の届出や家財の整理は、誰が担うのでしょうか。
「まだ大丈夫」と思っている間に、こうした問題は静かに近づいてきます。
だからこそ今、注目されているのが、信頼できる人に財産の管理を託す「民事信託」という仕組みです。
今回の特集では、資産承継・事業承継・人生の備えに詳しい専門家のお話をもとに、「人生のバトンを誰に、どう託すのか」を考えます。
遺言だけでは足りないこと、家族が困らないためにできる準備、お一人暮らしの方や経営者が知っておきたい備えなどを、やさしく整理しました。
これは、暗い話ではありません。
大切な人に迷惑をかけないために。
自分の願いを、できるだけ自分の意思で形にするために。
そして、これからの人生を安心して楽しむために。
元気な今だからこそ考えたい、未来へのやさしい準備。
あなたは人生のバトンを、誰にどう託しますか。

続きでは、民事信託・遺言・成年後見制度の違いや、実際に起こりやすい相談事例を紹介しています。家族と話し合うきっかけとして、ぜひ本誌でご覧ください。


